「痛みに対する鍼灸療法」第2回は「一絡法 子午の法則を用いた治療法」です。子午流注というのは中国古来より色々なことに用いられていた子午運気論から金元代に考えられたもので、医学においてこの理論を応用し、子午運気の治療法即ち子午流注鍼法として多くの治療家が現代も用いている治療法です。考え方は上記のように古代中国から来たものですが、その他の治療法のように理論も難しくなく特別な技術を必要としない、しかし効果はしっかりと表れるものです。前半はまず子午流注の法則についての歴史、治療法としての考え方、実際の治療方法と説明を行いました。過去に授業で説明した学年もあるので半分くらいの参加者は「あ~こんなの聞いたことある~」って感じでしたが、初めて聞く参加者も居たのでかなり細かい所まで説明しました。それぞれの説明が終わった段階で、「これなら出来るのでは?」と手ごたえのあった参加者も多かったのではないでしょうか。後半は実際に子午の法則を使った治療を参加者同士で行いました。方法としては至って簡単のものなのであまり戸惑うこともなく入っていけたように感じました。しかし、実際に刺鍼しその効果を確認してみると思ったような効果が得られない人もみられましたが、少し取穴位置を指導するなどでかなりその効果が変わったようです。今回の講義で改めてしっかりした取穴の必要性を再確認してもらえたのではないかと思います。人の体は千差万別なので教科書的な取穴では思うような効果が得られない場合が臨床の場では多々あります。その患者さんにあった取穴の必要性を確認して効果の出る取穴ができるようになってもらえるよう今後もしっかり指導していきたいと思っています。次回は、「一原法 表裏共軛関係を用いた治療法」です。経絡の流れ、経絡同士の関係性を考えた治療法で、これも子午の法則同様、理論的にはあまり難しくないものです。2週連続の講義となりますが、頑張って勉強しましょう~!久保益秀
コメント