9/7クラシカルオステオパシー勉強会活動報告~春山勝先生~

クラシカルオステオパシー その生理学的アプローチ 活動報告オステオパシーは140年前に米国で誕生した医学であり、欧米には多くのオステオパシー大学が開設され、科学として手技療法が行われている。今回はオステオパシーを特に生理学的な面から追求した、英国のクラシカルオステオパシーの治療哲学と技法を紹介した。医学の究極の目的は、疾患を乗り越え、人間の健康度を高く維持することであるが、現代の西洋医学では、対症療法がその中心であるために、健康を正しく定義することはできず、また耐性菌の出現など、その限界が次第に明らかなものとなってきている。それに対して、構造面からアプローチを行うオステオパシーでは「ポジティブな健康」と定義するように、人体は生物学的に障害があっても代償作用を有し、その状態に適応するのであるから、構造面を正常化させることによって機能を改善させることは、薬剤を用いることよりも、より本質的に人間の健康度を高くすることが可能であり、合理的かつ効果的な方法であると考えられる。この様に我々が行っている理学療法は、有史以前より連綿と続いてきたものであり、今後は薬剤を中心とした現代西洋医学から、構造面を重視した医学への移行が必要であると思われる。今回は、クラシカルオステオパシーの治療哲学である、生理学的なアプローチの概略について解説した。具体的には、身体を中立位に戻すことによって張力線を正常化させ、リンパ系や循環系の改善を目指すことであり、自律神経系を始めとする神経系を正常化させ、インパルスの伝導だけでなく、軸索を介する軸索栄養を正常化させること、さらには人間が有する複数の排泄系を活性化させることにより、毒素の排泄を促すことが重要であるとするものである。実技では、我々が行っている全身身体調整の実際を紹介すると共に、日々の臨床にすぐに利用可能な、脊椎に対しオシレーションと呼ばれる穏やかな波動を加える方法、および後頭窩の抑制技法を指導・練習した。春山 勝

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