6/16筋膜療法Fa(scia)-ther(apy)勉強会活動報告~吉岡紀夫先生~

 運動器の障害により要介護、あるいは、要介護になる危険の高い状態に対する厚生労働省の用語がロコモティブシンドローム(運動器症候群)ですが、その症候の大半の原因がわかりません。その「運動器」の構造とは、「筋・骨格・神経系の総称であり、筋肉、腱、靭帯、骨、関節、神経、脈管系などの身体運動に関わるいろいろな組織、器官の機能的連合のこと。運動器はそれぞれが連携して働いており、どのひとつが悪くても身体はうまく動かない。・・・」と解説されていますが、「運動器」の“ゆがみ”“痛み”がわからないのです。 その「運動器」の構造には、「系統・器官」一辺倒の解剖学と同じく、「系統・器官」の周囲・間隙の組織、構造が欠落していて、〈神経終末が密に分布〉する筋膜などの《膜》構造が診療の対象になく、「運動器」の“ゆがみ”“痛み”がわからないのは当然です。 その「系統・器官」の周囲にある筋膜などの《膜》構造の存在感から、《膜》構造に焦点を合わせた筋膜療法/Fa(scia)-ther(apy)に行き着きましたが、体の“ゆがみ”“痛み”を改善する新しい世界が開けました。 「運動器」の構造は、体を緩めて縮めているだけでも、歪んで偏った荷重によって破綻し、それで、中高年の体が縮んだ人に関節や骨組織の破綻が起こっているのです。 筋膜療法/Fa(scia)-ther(apy)は間口が広いので、3回ではエッセンスになりますが、次のように考えています。① 6月16日(日)は、体壁の組織の機能と感受性に対する「施術の対象」② 7月21日(日)は、普遍的な“体のゆがみ”に対する「施術の方針」③ 8月11日(日)は、“健康・美容・アンチエイジング”な体の獲得法 1回目の、6月16日(日)は、体壁の組織の感受性から「系統・器官」周囲の《膜》構造で感受性が高く、痛みの発症を示唆する『今日の診断指針』第3版(医学書院1995年p.228)の記述を基に、独自の構造の見識、臨床の体験を踏まえた筋膜療法/Fa(scia)-ther(apy)および基本手技の“ずり圧”の紹介が内容になりました。 受講者は、「より深く知りたい」という前回の受講者のほか、「経筋との関係を知るため」、そして、多くは「どんなものかを知りたい」というものでした。 筋膜療法/Fa(scia)-ther(apy)は、効果を知り、臨床で活用されている理学療法士の方から「筋膜ストレッチ」と言われるようになりましたが、方法は単純で、効果は実直です。お陰で、自分自身に起こった運動器の障害を、自身で改善してきました。次回(2回目)の 普遍的な“体のゆがみ”に対する「施術の方針」は、脊柱側弯症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症の改善例を紹介したいと思っています。吉岡 紀夫

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