「痛みに対する鍼灸療法」第8回と第9回は「経筋療法」です。経筋という名前やそのさわりくらいは学校の授業で習われたと思いますが、その理論や治療法というのは授業では殆ど教えられないのが現状だと思います。しかし実際の臨床で最も多く訴えられる痛みという症状の急性期のものの多数が経絡や臓腑にまで病が至っていないいわゆる経筋病に属しているものです。ではなぜ授業で教えられないのか?と考え、この勉強会でやってみようということにしました。第8回は経筋と経脈の違いや流注・病因・病証などの理論とその治療法について前半は座学、後半は実技を交えて行いました。経筋療法は本来火針を用いて行うものという認識を持っておられる方もいると思いますが、必ずしも火針を使わないでも十分な効果を得ることはできます。それには確実に経筋病巣を把握し、そこに確実に刺針する技術が必要となりますが、必ずしも難しいものではありません。基本的な知識と技術が備わっていれば誰にでも結果の出せるものだと思います。第8回ではその基本的な部分に重点を置いて勉強しました。第9回は経筋療法の応用編として、より確実により簡単に施術ができる方法を勉強しました。『霊枢』「邪気蔵府病形篇」に記載されている言葉をもとに考えられた方法です。この療法は簡単な経筋病であれば、患部付近に触れることなくその痛みが取れてしまうという方法なので鍼灸の不思議さを体験するには持って来いの方法ではないでしょうか。ただシンプルな分、より正確な取穴と刺針が必要となってくるものなので受講者の中には一度の練習だけでは結果の出せない方も居られました。より研鑽を積み結果を出せるようになり、臨床に生かしていってほしいと思います。次回は最終回、総仕上げとして今まで勉強した数々の療法についての疑問・質問に答えていく場にしたいと思います。久保 益秀次回の勉強会は3月9日(日)です(^O^)/痛みに対する鍼灸療法のご案内はこちら↓http://www.teiyukai.jp/entry-11509307792.html
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